現在香港でブラジリアン柔術の指導者、選手として活動する日本人柔術家荒牧誠氏から、
先週掲載いたしております、「香港柔術ライフスタイル11「2014年活動報告レポート前編」の続きである後半が届いております。

前回に引き続き、非常に興味深い内容となっておりますので、是非一読ください!

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再び、香港柔術の荒牧です。


前回は、2014年の6月までのレポートでしたが、今回の後編は、

7月以降の活動を、報告していきたいと思います。


●台湾インターナショナル/台湾・台北(7月)


毎年7月に台湾・台北で行われている台湾国際、昨年で自分にとっては、

5回目の参加となりました。


台湾BJJ主催で開催され、メインインストラクターである小笠原さんが、

見事な取り仕切りをみせる大会でもあります。

毎年、参加選手が増えており、昨年は、遂に230人を突破いたしました。


自分が毎回レフェリーをしているからとかではなく、お世辞抜きに、海外での試合を考えている選手は、まずここから始めるべき、と言ってもいいかもしれません。


台湾国際では、海外トーナメントでは、当たり前の遅延などはほぼなく、

事前に発表したタイムテーブル通りに、試合が進行していきます。

そのため、余計なストレスを感じることはなく、海外大会への参加の経験がない方でも、

問題なく試合に、集中することができます。


ぜひ、一度ぶらりと旅行がてら、エントリーしてみてはいかがでしょうか。






そして、大会翌日には、台湾BJJにて、エジソン先生によるセミナーが開催されました。

もちろん、自分も参加させて頂きました。





エジソン先生セミナーには、小笠原さんの盟友、村上先生も参加しました。

村上先生も、台湾国際の常連ですね。





セミナーは、最新の技術を、これでもかと詰め込まれた、素晴らしいものでした。

試合の翌日でしたが、沢山の参加者があり、台湾の方達の熱意が伝わってきましたね。





●ホナウド・バルセロス(Ronaldo Barcelos)先生セミナー at 香港柔術(8月)


前述した通り(前編に記した通り)、昨年の5月にファブリシオ先生が、フィリピン・マニラにてセミナーを開催したのですが、その際に、自身の高弟であるホナウド先生(黒帯四段)を帯同されていました。

そこでホナウド先生より、今度香港に行く用事があるため、ぜひ香港柔術で、セミナーを行いたいとのお話しがあり、開催の運びとなりました。





ホナウド先生は非常に、紳士で、知的な印象を与える佇まいを持つ、素晴らしい先生でした。

ちなみに、柔術の指導者という顔とは別に、出版社の編集者という顔も持たれています。








海外でセミナーをされるのは、初めてということで、非常に喜んでもらえたのが、印象的でした。

もちろん、参加者も大満足の素晴らしいセミナーでした。

ありがとうございました。


●コパ・デ・香港(香港オープントーナメント)/香港(8月)


毎年、九龍柔術主催で開催される今大会。

昨年は、8月に行われました。

ストーム・キモノがここ数年メインスポンサーになっており、一昨年は、アンドレ・ガヴァオン、

去年は、コブリーニャと、連続して世界王者がゲストとして呼ばれ(出場はしておりません)、

大会に華を添えました。





香港でほぼ唯一の大会であり、アジアでは、フィリピンのパン・アジアンに次ぐ規模の大会です。

昨年は、おそらく、250〜300人の参加者を集めました。








大会の前日には、コブリーニャ・セミナーが開催されました。

自分は、沖縄の若柔術代表の若山さんと一緒に、参加してきました。


ちなみに、若山さんとコブリーニャは、あのテレス&テレレのTT柔術在りし日の内弟子仲間でもあります。
コブリーニャの試合は、何度もブラジルやアメリカで見たことはあったのですが、

直近でその動きをみたら、さすがというか、やはり世界王者という動きでした。

異常なスピードや、パワーがあるわけではなく、かといって見たことのない技術を、

駆使しているわけでは、ありませんでした。

とにかく考えうる限りスムーズ、という印象でした。


ここを潰して、同時に腰を切りつつ、旋回し、、、等、現在では、様々な技術を沢山の方が知っていますが、通常どうしても流れに個人差が出ます。


しかし、彼の動きには、まったく淀みがなく、滑らかでした。


素晴らしい体験となりました。




大会の前後には、九龍柔術さんにて、小笠原さんセミナーも開催され、

自分も、参加させて頂きました。

小笠原さんは、試合の戦績も、もちろん凄いのですが、

指導者としても、非常に優れており、今回も新たなポイントを教えて頂きました。


この時の技術は、今もほぼ毎日使わさせて頂いております。


●小室宏二先生セミナー at マカオBJJ/マカオ(9月)




香港からマカオは、フェリーで、約1時間で行けるため、マカオで唯一の柔術アカデミー・マカオBJJには、以前からよく訪問させていただいていました。。

そこで、マカオBJJを現在取り仕切っているチアゴより、小室さんセミナー開催の報を聞き、

これはぜひ参加せねばと思い、掛け着けました。


マカオBJJのオーナー・アレックスと、小室さんは、旧知の仲ということで、

今回のセミナー開催となったそうです。

セミナーでは、小室さんの得意技であるコムロックの極め方から、それに対する相手の動きに合わせた変化技を、じっくりと指導してもらいました。

皆さん、目を輝かせ熱心に指導に聞き入っておりました。


小室さんとは、10数年前にまだ自分が、20代前半の頃、全日本オープン選手権紫帯フェザー級(当時はペナ級)の決勝で試合をしたのが、いい思い出です。


そして、今回、何年ぶりかは分かりませんが、とにかく本当に久しぶりに小室さんにお会いしました。

まさか、マカオの地で、再会することになるとは、夢にも思っておりませんでしたね。


セミナー後は、皆さんと一緒に火鍋屋さんに行き、食事を頂きながら様々なお話しをすることができました。
ありがとうございます。


●Asian Open/日本・名古屋(11月)


以前までは、2年に一回の開催であったアジアンオープンも数年前より、毎年開催となりましたね。


基本的には、自分は、この大会の時に、里帰りも兼ねて一時帰国してたのですが、

昨年は、名古屋開催だったために、少し迷いましたが、生徒さんも3人参戦するということで、

最終的に、行くことに決めました。

しかし、残念ながらギックリ腰をやってしまい、結局試合には出場しませんでしたが、

応援、観戦、そして、IBJJF審判講習会に参加いたしました。









[初日の試合終了後に、香港柔術 & clube de jiujitsu & 台湾BJJ遠征メンバー、一同にて。]




今年は、既に、9月に東京武道館にてアジアンオープン開催、という発表がされておりますね。

ぜひ今年は、出場したいと思います。


ちなみに、自分は、本年より、マスター2カテゴリー(36歳以上の部)に、

出場することができるようになりました。

なかなか大きい国際大会でないと、年齢区分されないので、同じ世代でゆったり試合する

のが楽しみです。





●ブル&タイガートーナメント/シンガポール(12月)






この大会は、今回初開催でした。


通常、東南アジアの大会は、いずれかのアカデミー単位で、開催されているのですが、


今大会はアジズさんという方が、個人で主催された大会でした。


次回大会は、シンガポールではなく、マレーシアの首都クアランプールにて、3月に開催される


ことが、既に発表されております。




ちなみに、何故、ブル&タイガーという大会名にしたのか、謎です。


藤田和日郎先生の名作「うしおととら」のファンなのか、と聞くつもりだったのですが、


残念ながら失念していたため、次回ぜひ確認したいと思っております。乞御期待。







主催者のアジズ氏。

Evolve MMAというメガジムが存在するシンガポールですが、まだまだ大会開催自体が少なく、

開催されても、大体参加者数は、50〜80人くらいとのこと。



そんな中での大会開催の継続は、非常に大変かと思われますが、

ぜひ、頑張ってほしいです。









シンガポールで最初の柔術アカデミーであるシンガポールBJJ代表のジェイソン先生。(中央)

両サイドが、シンガポール柔術界で有名なChua兄弟で、左が兄のIvan、右が弟のCalvinです。

Ivanが紫帯で、Calvinは、白帯なのですが、二人とも、二つ帯が上のレベルにありましたね。

強いです。

ぜひ、今後も要注目の兄弟です。





今回招聘されたレフェリー陣。

左から、私(香港)、マルコス・エスコバ先生(マレーシア)、アダム・カユーン先生(タイ)、小笠原先生(台湾)。

ちなみに、エスコバ先生は、ADCCの世界王者、アダム先生は、One FCにてグレゴー・グレイシー

を破った戦績を持つ、お二人とも超強豪の先生です。





大会翌日の早朝には、Evolvo MMAを、訪問させて頂きました。

(非常に練習したかったのですが、その時、まだまだ腰が治っておらず、泣く泣く断念しました。)


その日は、2週間後にUFCブラジルにて、佐々木憂流迦選手と対戦予定であった

レアンドロ・イッサ先生が指導されていました。

(その後、イッサ先生は、チョークで一本勝ちをいたしました。)


ちなみに、イッサ先生の左隣にいるのが、Evolve MMA初の黒帯受領者である高津さんです。

高津さんは、日本にいる時は、パラエストラの佐々選手に師事しており、

現在は、シンガポール在住で、Evole MMA所属です。

香港柔術には、毎月のように、香港出張の度に、練習に来て下さっております。




その日の夜は、シンガポールBJJにて、小笠原さんと共に、セミナーを行いました。

予定時間を大幅にオーバーするくらい、皆さん沢山の質問をして下さったり、

熱心に技術を学んで下さいました。

皆さんありがとう。

道場に招いてくれた、ジェイソン先生にも、感謝です。


さて、今年も既に3月28日にグアムで開催されるマリアナスオープン、

そして5月15日〜17日(今年は、3日間)に、フィリピン・マニラで開催されるパン・アジアントーナメントに、小笠原さんと共にレフェリーとして、招聘されております。

皆さんの御参加も、お待ちしております。


もし、今回のレポートや、今までの私のレポートを読んで下さり、海外での出稽古や試合出場に興味を持たれた方は、ぜひ行ってみて下さい。

きっと面白いですよ。


ところで、海外に旅に出たり、少し暮らしただけでは、人は何も変わらないし、何も発見しないと、

自分は思っております。


愛する国や故郷や家族に、与えられたもの、育んできたもの、そのままでぶつかり、

ああ、間違ってなかったんだな、という確認みたいなものです。

なので、どこにいても怖くないですね。


今年も、様々なことがあり、様々な出会いがあるでしょう。

楽しみで仕方ありません。


それでは、またお会いしましょう。


荒牧 誠 ARAMAKI , MAKOTO

香港柔術 Hong Kong Jiu-Jitsu

HP:http://www.hkjj.com.hk




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過去の「香港柔術ライフスタイル」はこちら

香港柔術ライフスタイル11「2014年活動報告レポート前編」

香港柔術ライフスタイル10:「2013マリアナスオープン・グァム編 後編」

香港柔術ライフスタイル10:「2013マリアナスオープン・グァム編 前編」

香港柔術ライフスタイル9:「2012グァムオープン・グァム編 後篇」

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